大阪の酒場で飲むとき、あて(肴)として根強い人気があった「生ぎも」。牛のレバー刺しのことを言いますが、生ぎもという表現の方が大阪にはピッタリでした。

生ぎもが酒場から姿を消したのが2012年。前年に起きた焼き肉店の集団食中毒事件を受け、生肉処理の厳格化が図られ、それを受けて厚生労働省が牛レバーの生食を禁止したのです。

それ以前は、多くの大衆酒場で生ぎもを提供していました。新鮮な牛レバーにたっぷりとごま油をかけ、ショウガやネギを合わせて食べると、パワーがみなぎってくるような感じになったものです。

ビール、日本酒、焼酎と、どんな酒にでも合う「あて」だったので、大阪で飲み歩くたびに注文しました。生食できる馬レバーやコンニャクの代用品では、生ぎもの味わいは再現できません。

ちなみに、熱を加えた牛レバーは、ボソボソした食感が苦手で、あまり好きではありません(苦笑)

namagimo

※このコラムは、姉妹ブログ「あの町この味ひとり旅」にも掲載いたしました